映画「海洋天堂」

 NHKBSのプレミアムシネマで見ました。
 多分海の天国とか言った意味の中国語だと思います。Ocean Heavenが英語の題名だったと思います。
 中年の父親と21歳の息子の二人暮らし、息子は自閉症、父は肝臓病の末期と診断される。父は病状悪化する中、文字通り必死で息子の行く末を何とかしようと奔走する物語です。

 息子役は知らない俳優さんですが、父役は中国名李連傑(リーリンチェイ)アメリカではジェットリーという名前です。
 ローズマリーが十代後半ではまった「少林寺」「少林寺2」「阿羅漢」で主人公を演じた当時中国武術の大会優勝者でした。中国内では有名なアクションスターです。

 野生の蛇や師匠の娘のペットの犬を捕まえて食べてしまう、いかにも中国人、といったふうの映画でした。若かったローズマリーには、ヒーローである主人公が嬉々として生きた動物を殺して食べるところまで画面に出るというのが結構衝撃でした。が、それ以上に武術に興奮しました。
 もともと時代劇が好きだったローズマリーが何か武術をと思った誘因ですね。それで合氣道を始めました。


 ハリウッドでもアクションスターとしていろいろな映画に出ています。
 すでにデビューから三十年以上、すっかりベテラン俳優ですね。今回アクションは全くなしです。着ぐるみを着てちょっとプールに入るけど病気なのでアップアップという場面はありましたが。

 なんと音楽は久石譲です。
 静かに進む物語の底にやはり静かに進んでいく音楽が素敵でした。
 息子をよく知って理解のある人もいれば、まったく理解のない方もいます。本人がじっとしていれば自閉症であることなど周囲は気が付かないこともあるのですから、仕方がないと言えば仕方がないかもしれません。

 現在の中国は共産圏で働かざる者食うべからずですし、一人っ子政策で他人との協調性がない方も多く、また人権という考えも普及してはいません。血族以外は信用しないという様子も多々見受けられますから、障害者だから阻害されるというわけではないかもしれません。他人すべてに親切ではないというのが現実なのだと思います。自分に利益をもたらしそうな人にのみ親切にするような風潮が大半のように見受けられます。

 そんな中でも父や、息子を見守る周囲の人たちの様子が胸を打ちます。
 もちろん現実にはこんなにうまくはいかないと思いますが、でも最後はちょっとほっとしてみんながやさしくなれたらいいなと思える映画です。
 
 この映画は父役の李連傑が見たくて見た映画です。顔や体型とか、30年経っているのにほとんど変わらないのがすごいなと思います。でも父として夫としてなど役を表情で語るところもしっかり伝わるいい俳優さんだなと思いました。

 以下ネタバレあります。

 父は水族館に勤務しています。死んだ母は海が大好きで毎日のように息子を連れて海に行っていたそうです。海で死んだ母を父は自殺かもしれないと思っています。障害を診断された息子と向き合えなかったからと。
 息子は海の生物も海も大好きなようで、水族館ではお客の入らない時間に水槽の中で魚と一緒にたわむれます。
 冒頭、父が自分の病状を知って海で無理心中をしようとするのですが、息子の泳ぎが上手でうまくいきませんでした。
 息子の母校である養護施設に相談に行きますが、お世話になった校長は退職し病気で倒れ家族の介護を受けているような状態でした。
 父は自力で息子の面倒を見てくれる施設を一生懸命探そうとし、ことごとく断られます。
 水族館で興行していたサーカスと息子が問題を起こし、息子を水族館に連れてきていた父は危機になります。
 息子に清掃を教え何とか水族館で役に立つよう教えようとしますがうまくいきません。一人で水族館に通えるようにバスの乗り方を教えますが、きちんと意思表示できない息子は車掌に怒鳴りつけられます。
 施設に何とか入所できますが、今まで父としか暮らしたことのない息子はパニックを起こします。父はアパートを引き払い息子の施設の部屋をアパートと同じようにレイアウトし同居して、施設での日常生活を一つずつ教え込みます。 

 水族館で長生きとされるカメの親子を父は息子に示します。「お父さんはカメになるんだよ」死ぬという理念を息子がどう理解できるかわからなかったのだと思います。
 父の死後、水族館の館長の計らいで、息子は父が生きていた頃と同じように水族館で過ごします。
 施設からバスで水族館に通い、お弁当のゆで卵を自分で作ることができるようになっています。 
 父に教わった館内清掃(生前の父に何度も教えられてもできなかったが、死後にはできるようになっている)をし、空き時間にはプールで魚やカメと泳ぎます。
 父にしたように亀の背にすがって嬉しそうに泳ぐ息子の笑顔がとても印象的でした。
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プロフィール

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Author:FC2USER75rosemary
島根県松江市で薪ストーブで心と体を温めて、手作り普段着着物で糖質制限・湿潤治療をする、普段はパートのおばさん、時々予備自衛官ローズマリーの日記。
2014年陸上自衛隊予備自衛官補技能の試験に合格、2015年採用、予備自衛官補技能教育訓練修了後、予備自衛官に任命されました。

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